2017.08.18

焼き付け線のおもしろ話 – マグネットワイヤコラム<第一話>

“マグネットワイヤ”、この呼び名は電線メーカーでこの呼称をカタログ、資料などで運用しているものです。最もご使用されるお客様で馴染みのある呼び名でしょう。直訳すれば「磁石の電線」となるでしょうか。少し大袈裟ですが、それはこの地球上に存在する磁力という不思議な現象に対してある種畏敬の念を感じさせます。マグネットワイヤ・・・正に機能を最も端的に表現しているといえましょう。機能美とも云える呼称ですね。(コイルを巻いて電流を通しそこに発生した磁力で力を生み出す)

でも、本当は、私たち電線屋にとっては「マグネットワイヤ」は実に聞きなれない言葉です。私たちは常に表記も“焼き付け線(YAKITSUKESEN)”です。絶縁塗料、融着塗料を塗布した銅線に電気炉で何回も何回も薄く少しずつ焼き付け塗装する、という製造工程そのものの単純明快な呼称といえます。また、やきつけせん(YAKITSUKESEN)という音の響きが瞬時に製造現場での光景が目に浮かぶようで何とすばらしいでしょう。“電線を造る”・・・装置産業とはいえ製造に携わる人たちの苦労や、気持ちが思い浮かんできます。言い換えれば汗と油にまみれて淡々と電線を造る姿を思い起こすからです。そんな思いも込めて焼き付け線いう呼び名を多くのお客様に知っていただければと思い紹介いたしました。

さて、大変雑駁な話でありましたが下記に私たちの通常呼称を少しだけ明記いたします。(製造会社によって違いはあると思います)

・一般絶縁電線(UEW、PEWなど) シングル線 S物 焼き付けの炉が一つ、及び層が1つのために呼称する
・自己融着電線 ダブル物 W物 焼き付けの炉が絶縁層と融着層と2つある。及び層が2つのために呼称する
・絶縁層 Z層
・融着層 M層
・細物(ほそもの) ややあいまいであるが0.1㎜以下を云う
・太物(ふともの) ややあいまいであるが0.30㎜以上を云う
・極細線 極めて細い線 凡そ0.05㎜以下

などご参考にしてください。

※焼き付け線の伸線工程、焼なまし工程などはまたお話いたしましょう

次回、第二話は焼き付け線の(特に融着線)の歴史です。